悪逆の檻




奏がめくる。

「6と、13! ラッキー、私の誕生日だ!」


「そうなんだ! 次は一緒にパーティーしよっ!」


流れるように嘘が口から出ていく。


「いいねー。 愛はいつ? サプライズしてあげる!」


「それ言ったらサプライズになんないじゃん! 5月10日だよ」


嘘は止まらず、勢いのまま流れ続ける。



「うそっ!? ジャック・カルティエがニューファンドランド島に到着した日じゃん、いいなー」



「え、マジで!? 知らなかった!」

誰だよ、それ。
その島どこだよ。





その後も、どうやらサプライズ好きだったらしい奏の『いままでのすごいサプライズトップ8』を聞き流しながら、





ゲームは滞りなく進んでいった。