「え、そ、それじゃ……」

「仲良くしましょう」



彼女はにっこり笑って言った。



「それじゃ、今度からは家出する時は阿部ん家だな。よかった、解決」

「なに言ってるの?麻里亜さん家は4人家族、私はひとり暮らしの家にしか泊まらないよ?迷惑かけちゃうから。それに……」



え?

俺にも迷惑かかってるよ?

いろんな意味で。



「それに彼女、先輩だもの」



先輩……?



「あれ?要くんは知りませんでした?」

「……ハァ!?」



衝撃の一言。

知らなかった、気付かなかった。

俺さっき阿部って呼び捨てにしちゃったよ……。