「俺が用心棒になったあの日、帰る時にも言ってたよな」

「お、覚えてないよ、そんなに前のこと」



いつからだっただろう?と顎に人差し指をを当てて考える菅原。

癖というものは、気付かないうちから身についてしまっているものだ。

でも俺はあの頃から気になってたからよく覚えている。



「俺は覚えてる。あのギャップの激しさが脳裏に染み付いて離れない」

「ギャップっていうか、今の私が本当ので、Qは作ってる人格で……」


わかってる。

本当はそんなに強くないこと。

自分を偽って演じているのがQモードの時だということ。

あの時の俺にとっては衝撃的だった。



でもどちらのQも根本は同じで、とても温かい心の持ち主だってこともわかってる。

まだ会って少ししか経ってないけど、しっかり伝わっている。



「わかってるけどさ、そんなあやまるなよ。凛々しいQ様だろ」



俺が笑うと、菅原も笑った。