こうしてライブは幕を閉じた。 ライブ直後の俺は、ぼーっとしてた。 いろんな感情が心の内から出て来て、気付けば涙が頬を伝って――落ちた。 「サヨナラ、梅亜」 歌が大好きなもう一つの自分。 自分の中には、実は沢山の自分がいるのかもしれない。 俺だって、菅原だって、変わりないんだ。 みんな違う一面を持っている。 梅亜は、心の中にそっとしまって...。 「お疲れ要」 ふと聞こえた声。 ……この声は……。