「ごめんね?」

「⁉……あ、あぁ……」



今日一日Qとしての菅原を見ていた俺は、昨日や今朝の本来の菅原のことを、これまたすっかりと忘れていた。



あぁ、元の菅原か……。

さすがにまだこのギャップには慣れない。



「あんな罰なんか与えたけどね、私も本当は手伝ってあげたかったんだけど、その……そうすると関係のない人たちまで手伝ってくれちゃうことが去年わかって……」



つまり去年も同じようなことをしていたのか。



「……つまり、俺は菅原の代わりに?」

「ごめんね、去年もそうやって代わってもらってたから……」



それはつまり、去年も用心棒だった奴がいる……ってことだろうか。

俺の前に、一人……。



「別にゴミ拾いくらいならいいんだけど……一ついい?」

「なに?」

「菅原に近い人……Qバッチ持ってる人って何人くらいいる?」

「あ、うん。今は5人」

「5!?」



思っていたより少ない人数に、俺は驚いた。

つまりクラスメイト達が驚いていた理由はそこだったわけだ。

選ばれる人数が少ない。



俺はこの何百人もいる生徒の中から、たったの5人選ばれたうちの一人ということだったわけだから。

そりゃみんな驚くはずだわ……。