いや、さすがにこの時間じゃ近所迷惑か? 「もう打つ手ねーよ」 「だったらやっぱり歩いて探すしか……」 その時、目の前を通った女を見て、俺は呟いていた。 「黒い蝶……」 「え?」 自然と動き出した足。 自然と出た声。 「峰!」 その声が聞こえたのか、その場に立ち止まって、俺らの方を向いた人物。 「……神崎さん……?」 そう、黒い蝶のピアスを付けている、マネージャーだった。 「……よかった、会えて」 久しぶりの再会。