その時、二つの聞き覚えのある声がほぼ同時に聞こえてきた。 「要さんっ!」 「カナちゃんっ!」 なぜだろう? なぜ俺の周りの奴らは皆呼び方が違うんだ? そして俺を呼んだ二人、颯と愛海が俺の目の前に来て、互いを見合って声を揃えて言った。 「……誰?」 なぜハモる? 「ウサギー、この女の子どなた?彼女?」 「大原には女子しか見えてないのか?」 明らか男子もいるんだけど。 「まぁ、大原だからね」