歩いて向かう30分の間、俺は愛海に説明をしていた。


「ウチの学校にあるQ制度って知ってるか?」

「まだなにも知らないよ」

「そうか」


まぁ、俺も何も知らずに来て、さらに菅原に会うまでQ制度なんて知らなかったしな。


「ウチの学校にはQ制度ってのがある。Qてのは、学校の中で最も偉い人で、生徒はもちろん、並みの先生もなかなか口出し出来ない」

「……え?もしかしてQて生徒なの?」

「しかも女。普通は男が強くて女が弱いだろ?女が強ければ男も従うからって理由らしい」


まぁ、それも学校のみだけど。


「んじゃ、守ってくれてるんだ?」

「そう。Qは生徒の中から選ばれた一人で最も優しく、みんなが慕っている。だからこそ生徒も思いやるって志を自然と持つ」