どうやら今はもう放課後らしく、菅原は生徒会との会議で少し遅くなる。 暇だから窓の外を見てたそがれていたらしかった俺。 一日中ぼーっとしてたのか……。 「私たちの父親は、十五年前に亡くなりました」 「そんな前に……?」 頷いて微笑んだ。 暗さを見せずに明るく振る舞う阿部麻里亜。 それがムリに笑っているように見える……。 「事故でした。それから十年、父親がいない生活をしてきました」 まるで物語を話すような口調。