菅原の家には、ただひたすらまっすぐ歩くだけで着いた。
曲がってすらいない。
道なりに沿って来ただけ。
「近いな」
「そう、近いの。だから――」
こちらを向いてニヤリと笑う、女王様。
いや、今は菅原涼歌だ。
「今から来る気か?」
「だって、知りたいから」
「家着いたんだから大人しく入れば?」
「えー」
己はどこぞのガキか!?
以外と聞き分けの悪い奴なのかもしれない。
しかたない、たいしたことでもないから俺が折れよう……。
「んじゃ、休みの日に教えるから」
今は諦めてくれ。
なんとなく、諦めてくれ。
なんかいろいろ悪い気がするから。
せっかく帰ってきたんだから、大人しく家に入るといい。