この約束はつまり、学校では女王を演じるということ。
自分の性格を閉じ込めて、女王を毎日のように演じる。
それがどれだけ苦しいことなのか、俺には想像もつかない。
「Qは、威張ることが絶対条件。弱いところを見せてはいけないの」
「それは、人の上に立つから……?」
「そう。生徒の上に立つ以上、他の生徒を不安にさせてはいけないの。そしてみんなを見守らなきゃいけない」
それを聞けば、あの時の態度がQ仕様の態度だということがわかる。
作られた人格だということが。
帰りながら話すのは……Qのスイッチが切れるからだ。
それでも出会ったばかりの俺に話していいような内容じゃないだろうけど……まだ何かあるのだろうか?
「先生の上にも立てば、そこまで刃向かう人はいない。Qは生徒側の人間だから、教師は生徒に危害を加えることもなくなる。Qの目的はそこにあるの」
理事長直下の理由は、教師の上ですら立つということだったのか……。
「……なんとなくQについてはわかった。でも……なんで俺に用心棒なんて頼むんだ?それにこんな話してよかったのか?」
一番知りたいのはそこだ。
俺が選ばれた理由。
まさか……知ってるのだろうか、俺が転入してきた理由を。



