とりあえず道端でつっ立ってるのもなんだから、再び歩き出した。

ワンテンポ遅れて俺に付いてくる女。

そういえば俺、この人の名前もまだ聞いてないんだった。



そういえば流されてついてきたけど、そもそも俺の家こっち方向じゃないから俺が前だとどこ向かえばいいのかわかんねぇんだけど。

後ろにいるな、前に行け。

そう思って歩くスピードを落として彼女と並んだ。



まだどう話すのかを考えているのか、その視線は俺に向かない。

コケても知らねぇぞ。



「で、どういうこと?アンタなんなの?」



結局切り出したのは痺れを切らした俺だった。



「えと、私は菅原涼歌って言います。この学校に選ばれたQークイーンーしてます」

「俺は宇崎要」

「ウザき……あぁ!ウサギって、宇崎から来てるんだね」



どうやら、俺の名前は聞いてなかったらしい……?

てっきりあのニコニコ強引男が話してたかと思ってた。