この胸いっぱいの愛を。




楽しそうに話す二人の姿。

その姿を見て俺は─────………









───────ズキン。






胸に、鈍い痛みが走るのを感じた。




駿河と二人でいるのを見たのは今日が初めてだが、話している様子からすると、大分打ち解けているようだ。

駿河は俺と違っていつも愛想が良く、人見知りな桃香が仲良くなるのも無理はない。


それに、マネージャーの桃香が部員との親睦を深めることは、兄として喜ぶべきこと。









────そう、頭ではわかっていても。




素直に喜べない……

それどころが、変われるものなら駿河と入れ替わりたいなどと考えている俺は、やはり兄失格だ。


これ以上この光景を見ていても、辛くなるだけ。

そう判断して二人から顔を背け、俺は足早にリビングに向かった。




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