この胸いっぱいの愛を。




部室で健吾と話していると、
だんだん部員達が集まってきた。

みんな、私に笑顔で声をかけてくれる。

私も健吾との会話を切り上げて、
一人一人に笑顔で挨拶を返した。




「じゃあ私、ドリンク用意してくるね」

「いってら〜」


ヒラヒラと手を振る健吾と他の部員を残して、私は一人で部室から出た。

理由は二つ。

さっき言ったドリンクの用意ってのもあるけど、本当の目的は部員達が着替え終わるのを待つこと。

だっていくら男子でも、私が居たら着替えづらいでしょ?

だから、下準備ついでに外に出ることにしてるんだよね。

今の時期は日差しがあったかくて心地いいけど、冬になったら寒そうで嫌だな……。




そんなどうでも良いことを考えてたら、
前から見慣れた二つの人影が近付いてきた。




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