「モモ?」
「………ふぁ?」
「……あんた、またトリップしてたでしょ」
「……えへへ」
ペロッと舌を出してヘラリと笑えば、「笑ってごまかすな!」と、アユにお説教を食らった。
なんてゆーか………
今日の私、なんかダメだ。
放課後はいつも通り部活もあるし、気持ち切り替えなきゃって、わかってはいるんだけどな……。
やっぱり、将兄のことが心配で。
今日、帰ったら直接聞いてみようかな。
あ、でもそしたら起きてたことバレちゃう!
うーん、どうしたものか……
…………よし!!!
「屋上行ってくる!」
私は二人にそう宣言して、返事を待たずに教室を飛び出した。
「お、おい!
なんでそーなるんだよ!?」
「モモ、授業どーすんの!?」
二人の声が廊下まで聞こえてきたけど、返事は返さない。
私は階段を一気に駆け上がり、屋上へ急いだ。
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