この胸いっぱいの愛を。




「ギャハハ、やっぱ気付いてねーよこいつ!」

何が可笑しいのか、食べるのもそっちのけに笑い転げる健吾。


「っ、気付くわけないじゃん!」


告白だってされたことないし、それどころが男子と喋ったことすらほとんどない。

喋るとしても、用事がある時だけ。


そんな私がいきなり“モテてる”なんて言われても、信じられるわけないし!




「あんたが告白されないのには、ちゃんと理由があるのよ」

「はぃ!?」


アユが突然そんなことを言うもんだから、間の抜けた声を出してしまった。

……にしても、ちゃんとした理由って?




「部長だよ、部長!」

得意げに言う健吾。


……聞けば聞くほど、意味不明なんだけど。


万一私がモテてるってのが本当だとしても、そのことと将兄にどんな関係があるの?




「だから、率直に言うと!」

「うん」

「お前の兄貴が怖くて、男子は誰もお前に近付けないってこと!」

「ふーん」


なんだ、そうだったのか………




って、


「えぇえ、うそ!?」




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