この胸いっぱいの愛を。




―――――――――…………。




それから。


朝比奈くんは、泣きじゃくってた私を家に連れて行ってくれたんだけど……。




「落ち着いて話してみろ」

「……無理です」


「……あ゙ぁ?」




だって……だって!!

こんな大豪邸で、落ち着けるわけ無い!


天井を仰ぎ見ると、巨大なシャンデリアがあって。

壁にはどこかで見たことあるような有名な画家の絵が数枚掛かってて。

その上今私が座ってるのも、いかにも高級そうなフカフカのソファ。


一庶民である私にとっては、落ち着かないことこの上ない空間である。

連れてこられた時は、驚きのあまり涙も引っ込んでしまった程だ。




でも、それより気になるのは……


「あ、あの」

「何だ?」


こ……怖い!!

話しかけただけなのに、なんか睨まれた!


しかも、目力が凄い。

今の私は正に、蛇に睨まれた蛙状態だ。






「えっと……


 私のこと、知ってるんですか?」


……って、何言ってんの私!!

“神田の妹”って言ってたんだから、知ってるに決まってるじゃん!


「すみません、今のは忘れ…」

「知ってるに決まってんだろ」




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