そんな、ある日のことだった。
私の耳に、衝撃的なニュースが届いたのは。
「神田先輩、高等部の人と付き合うんだって!!」
一人で廊下を歩いていた時、知らない女子生徒がそんな話をしていた。
私は思わず足を止めて、後ろを振り返った。
………今の、本当なのかな。
ひょっとしたら、聞き間違いかも……
「……………!!」
タイミングが良いのか、悪いのか。
窓から階下を見下ろした時、疑惑は確信に変わった。
…………私の目に映ったのは、知らない女の人と並んで歩いている、将兄の姿。
近くを歩いている生徒は、信じられないといった表情で、二人を遠巻きに見ている。
そして、将兄の隣にいる、女の先輩は……
少し、照れたように笑って。
将兄の腕に、自分の手を絡めた。
――――――――ズキン。
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