この胸いっぱいの愛を。




入学式の日の俺の格好は、今の姿からはかけ離れたものだった。




眩しいくらいに輝く、金色の髪。


両耳に、計三つのピアス。


そして、初日から着崩した制服。




パッと見誰かわからないくらいに、俺は変わった。


履歴書に貼ってあるいかにもか弱そうな自分とは、その日でおさらばしたんだ。




目立ちたいから、なんて理由じゃない。


イメチェンの一言で括れるほど、俺にとっては単純じゃない。






……ひ弱に、見られたくなかった。


『病弱でろくに運動もできない、可哀想な新入生』。


そんな風に思っている奴らを、見返してやりたかった。


そこまでして虚勢を張っていないと、どうにかなりそうだったんだ。






案の定、俺はみんなに注目された。


新入生は怪訝そうな顔つきで俺のことを見てたし、先輩らしき人達も俺を指差してヒソヒソ言っていた。


もちろん先生達も、初日からこんな格好の俺を見て良く思うはずがない。


呼び出されたり注意されたりはしなかったが、至る所から不愉快な視線を感じた。




.