この胸いっぱいの愛を。




そんなわけだから、昔から学校は休みがちだった。


一週間以上続けて休むのは、日常茶飯事。


自分で言うのも難だけど、学校に行く日の方が珍しかったと思う。


俺が来るか来ないかで、賭けをしてた奴もいたみたいだし。


今の俺しか知らない奴は信じられないって言うけど、昔の俺はそれくらい病弱だった。




激しい運動はするなと医者やお袋から釘を刺され、まともに走り回ることもできない。


遊び盛りの俺にとっては、地獄のような日々が続いた。




でも、当時の俺にとって一番辛かったのは、そんなことじゃない。


クラスメートや先生から、同情の目で見られること。




─────可哀想な生徒。


そう、思われていること。


昔から負けず嫌いな性格だった俺にとって、それが何よりも悲しくて、悔しかった。




腹いせに、様々な問題を起こした。


職員室に忍び込んで、先生の私物を盗んだり。


クラスメートに喧嘩を売ったり。




そうやって問題を起こせば、「可哀想だ」なんて誰も言わなくなる。


あの頃の俺はどうしようもなく単純で、自分のしていることは正しいことだと、そう信じて疑わなかった。




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