この胸いっぱいの愛を。




救いを求めるように、私を見つめる先輩。

その瞳は、いつになく哀しげで……


私は再びベッドに腰掛けた。









───────………




しばしの沈黙。


私はなんだか落ち着かなくて、ワケもなく部屋を見回していた。


しかし、先輩が口を開く気配はない。


…………どうしちゃったんだろう。




自分から色々聞き出すのは、あまりに図々しいような気がして、できなかった。

でも、いつまでもこうしてはいられない。

あまり帰りが遅くなると、家族が心配するから。


そんなこともあり、私は仕方なく自分から口火を切ることにした………が。




「あ、あの「知ってたんだ?」


……………え?


俯いたまま、そう呟いた先輩。


訳が分からなくて何も言えずにいると、先輩はポツリと言った。




「俺が、部長のこと好きだって……
 アンタ、知ってたんだな」

「………すみません」


なんで謝ってるのか、自分でもよく分からなかった。


先輩の口調は、私を責めているようにはとても思えないくらい、穏やかで。

私がこのことを知ってしまったのも、単なる偶然で。




───────それなのに。


何か、いけないことをしてしまったような…

そんな、罪悪感に襲われた。




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