振り向いた先には、どこかで見たような女子生徒の姿。
確かに、見覚えがある……
しかも、最近会ったような……
「っ、ごめんなさい!!」
「へ!?」
突然頭を下げられて、私は間の抜けた声を出してしまった。
「あの…………、
失礼ですが、あなたは?」
恐る恐る尋ねると、彼女はキョトンとした顔で私を見て、耳まで真っ赤になってしまった。
「す、すいません………
私、駿河君の友人の、佐野と言います」
「先輩の、友達…………」
─────────あ。
そうか、わかった。
この人、昨日喫茶店の前で駿河先輩と揉めてた人だ!
「ホントは直接神田先輩に、謝ろうと思ったんですけど……
罪悪感もあるし、なんだか近寄り難くて」
心底申し訳なさそうに言う先輩。
しかも、年下相手に敬語だし。
間接的とはいえ、あんな酷いことに加担する人には、とても見えないんだけどな。
一体、どうして………
「どうして、あんなことを?」
私が核心に迫ると、彼女は俯いたまま口を開いた。
「言い訳、なんですけど………」
「…………………」
「私、駿河君のことが好きなんです」
…………………………え?
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