〜桃香side〜




「一週間……か」


私は屋上で一人佇み、小さくため息を吐いた。









─────あの後。




問題を起こした生徒五人は退学処分ということになった。

きっともう、二度と会うことはないだろう。


そして駿河先輩は…………




一週間の、停学処分。


退学にならなかったのは多分、将兄が必死で先生を説得したから。


自分のせいで先輩が退学になるのは耐えられないって言ってた。

そうなるくらいなら自分が辞めた方がましだ、とも。




何はともあれ、駿河先輩が学校を辞めなくて済むことにホッとした。

私も、将兄と同じ気持ちだったから。


だってあれは、将兄のことを思うが故の行動だったに違いない。

そこまで将兄のこと大事に思ってくれてるなんて、妹としても凄く嬉しいことでしょ?

だから駿河先輩には、なんとしてでもこの学校に残ってほしかったんだ。




「ホントに、よかった」


そう呟いたのと、ほぼ同時に。









「神田、さん?」


聞き慣れない声で名前を呼ばれて、私は驚いて振り返った。




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