耳を塞ぎたくなるような音が、狭い倉庫に響く。

私は怖さのあまり、震えが止まらなかった。




「駿河、もうやめるんだ!
 それ以上やったらお前が…」


将兄の言葉に、私もハッとした。



そうだよ………


もしこんなことしてるのが誰かにバレたら、先輩………


退学になっちゃう!!!!






「私、先輩のこと止めてくる!」

私は将兄にそう伝えて、立ち上がった。

将兄は怪我してるし、今の先輩を止められるのは、きっと私しかいない。


だけど…………




「え…将兄?」


先輩の元に向かおうとした私の手を、将兄が掴んで離さない。


「ダメだ………
 お前には、危険過ぎる」

そ、んな…………


「そんなこと「信じるんだ」


私の手を、より一層強く握る将兄。




「駿河を、信じるんだ」


そう言った将兄の目は、いつも以上に真剣で。

私は力が抜けたように、その場に座り込んだ。




───────と、その時。






「何やってるんだ!!
 やめろ!!」


突如耳に入ってきた怒声と、懐中電灯の明かり。


……恐れていた最悪の事態が、現実になってしまった。




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