「ぐぁあ!!!!」
「痛っっっ!!!!」
「ぐはっ!!!!」
──────瞬殺。
一言で言うなら、まさにそんな感じだった。
先輩と同じくらい……
もしくはそれよりも高い身長の三人が、一瞬で吹っ飛ばされてしまった。
「駿河、やめろ!!」
「先輩、やめて!!」
私と将兄は、同時に叫んだ。
でも…………
「お前ら全員、ぶっ殺す!!」
駿河先輩は私達より大きい声でそう吠えながら、倒れている三人を殴り続ける。
血走った目でそう叫ぶ先輩はまるで、鬼のようだった。
「もう、許してくれ……」
「謝るから……」
殴られながら、必死で言葉を紡ぐ男子生徒。
「お前らは部長がそう言った時にすぐ止めてやったか!?
謝られたらすぐに許したのかよ!?!?」
そう言い返して、彼らの言うことを聞こうとしなかった。
……………怖い。
今の駿河先輩、いつもと別人みたい。
駿河先輩の姿をした悪魔がいるんじゃないかって、本気で思っちゃうくらい。
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