この胸いっぱいの愛を。




…………な、んで?


「どうして!?」

やばい、泣きそう。


私は必死で涙を堪えた。


「私も、将兄の所に連れていってよ!」

なんで、駄目なの?


「………から」

「え?」


小さい声で、先輩が何か呟いた。

今、何て?






「お前に、何かあったら……



 あの人が、悲しむから」




───────あの人。


それが誰かなんて、言うまでもない。


「お前が、一番よくわかってるはずだろ?」


悲しそうな顔で、私を見つめる先輩。

そこには、さっきまでの気迫はどこにもなくて。


「……わかってる」

自分自身に言い聞かせるように、呟く。


自惚れなんかじゃない。

将兄が朝も帰る時も隣にいてくれてる意味、ちゃんとわかってるよ。


でも、だからこそ。




将兄がピンチの時には、私が助けたいって…


そう思うのは、間違ってるのかな?









「………体育倉庫」

「!!」




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