「いつも元気だよ、俺は」 「あたしがそばにいなくて、寂しい?」 「えー? だい……」 大丈夫、と、付け足そうとした言葉を呑み込む。 「寂しいよ。だからさ、夏休みとか、長期の休みのときはロンドンに行ってもいい?」 そう言った俺を、彼女はひどく驚いた顔で見た。 「本当?」 「もちろん。バイトして旅費ためるし」 「あぁ、でもそれじゃ負担になるから……。半分に分けようよ」 「半分?」 「そう。あたしたちの大学、六月から夏休みに入るから、前半はあたしが日本に帰るの」 .