「なんで、この一ヶ月、連絡が取れなかったんだ?」



ついさっき謝った俺は、音信不通だった彼女に対して、ほんの少しだけ優位に立つ。

でも、彼女の態度は、俺のさらに上をいく。



「あたし、手紙に書いていたでしょ? 試験で忙しいから、一ヶ月くらい連絡できないかもって!」

「……えっ? そんなこと書いてた……っけ?」

「信じらんないっ!」



えーっと、そんなこと書いていた……ような気がする……かも。


たじろぐ俺を前に、彼女は攻撃をやめ、ふう、と安堵の溜息をついた。



「でも良かった、壮ちゃん、元気そうで」