自然と足が早くなる。 今日は、親父も母さんも夜勤で家に帰らない。 つまり家には俺と姉貴二人だけ。 別にやましいことを考えているわけじゃない。 好きな女と二人で過ごせる。 単純に それだけが嬉しくて。 ガキみたいにワクワクして。 気づけば柄にも無く、姉貴の好きなシュークリームを買ってみたりして。 あぁ、つくづく俺はアイツに惚れてるんだな…と実感する。 俺は一人、浮き足立っていた。 …そう、この時までは。