「何を知りたい?」 朔夜さんは椅子に腰掛け、脚を組んだ。 長い脚が窮屈そうにしている。 「……なんで、車の私より到着が早いの?」 朔夜さんは、ちょっと考えて、こう言った。 「それは簡単なことだから、条件も軽くしてやろう」 そして私を手招きした。 私がそばまでいくと、私の腕を掴み、引き寄せた。 バランスを崩し、私は朔夜さんに、もたれかかった。 心臓の音が聞こえる。 朔夜さんの? それとも私の? 「俺からの条件。 ……二人のときは、朔夜って呼べ」