それから少し雑談をして、私はお暇(イトマ)することにした。 「いつでも遊びにいらっしゃいね」 おばさんのその一言が、私の心を撫でていった。 多忙な私の両親にはない『いつでも』が、ここにはあるような気がした。 私は会釈を返し、朔夜の車に乗り込むと、見えなくなるまで手を振っていてくれた。 「いいお母さんだね」 私の言葉に、朔夜はちょっとイヤそうな顔をしたけれど、何も言わなかった。