車を降り、朔夜のあとについて玄関をくぐる。 家の中のひんやりとした空気が、 薄暗い雰囲気が、 少しだけ居心地が悪かった。 朔夜に続いて家に上がり、居間らしい部屋へ入った。 「ただいま」 朔夜が声を掛けると、 「おかえり」 という声とともに、年配の女性が現れた。 年の頃からしても、きっと朔夜のお母さんに違いない。 私が礼をすると、一瞬怪訝な顔をしたが、すぐににっこりと笑みを返してくれた。