思ったよりも容易く降りることが出来た。 そっと辺りを伺いながら玄関へ行き、靴を履く。 幸い誰にも見つからず、そのまま屋敷を後にすることが出来た。 バッグへ入れた書類がカサカサと音を立て、存在を主張していた。 「朔夜……」 私はそっと、バッグの上から書類を押さえた。 しばらく歩いていると、私の携帯が鳴った。 ディスプレイには朔夜の名前。 私は通話ボタンを押し、携帯を耳にあてゆっくりと口を開いた。