「だったら、何?

お父様たちに報告すれば?

ねぇ……人を好きになるのって、そんなにいけないことなの?

好きな人に会いたい気持ち……あなたにもわかるでしょ?」



次々とぶつける言葉は、留まることを知らない。



岡谷さんは、黙って私の言葉を聞いていた。



私がひとしきり言った後、岡谷さんは悠然と口を開いた。



「……私はこれが仕事ですので。

今回の件については、ご両親にご報告させて頂きます」



そこで少し間を置き。



「ですが……ご自分で今のお気持ちをご両親にお話しされた方が宜しいかと」



そう言って、部屋を出て行った。