すると、廊下に人影があった。



そこには、以前私に、朔夜を『好きなんですか?』と訊いた女の子が立っていた。



「あの……」



彼女は、消え入りそうな声で話し掛けてきた。



私は、泣きはらした目を見られたくないから、俯いた。