屋敷に帰っても、なんとなく落ち着かない。 いつも朔夜がそばにいたのに、ひとりぼっちだから? ──違う。 初美さんのことがあったから? ──違う。 漠然とした不安に飲み込まれていく。 今日は早く寝てしまおう。 そう思ってベッドに入ったが、眠れるはずもなく。 朔夜が帰ってきて、部屋に顔を出してくれるのを、ずっと待ち続けた。