朔夜は、今度は後ろを向いて、はっきり言った。 「ちゃんと掴まないと、振り落とすぞ」 私は、ぎゅっと朔夜にしがみついた。 バイクが走り出す。 風を切り、気持ちが高揚する。 朔夜の温かいぬくもりと、次々に移ろいゆく景色に、私は心を奪われる。