「綾香の頑張りに免じて、教えてやる。……ついてこい」



朔夜に連れられ、玄関を出て、裏庭へまわる。



草木のかげに、ビニールカバーに覆われたものが置いてある。



「これに乗って移動してた」



そう言って、カバーを外す。



そこに置いてあったのは、黒くすっきりとしたフォルムの、一台のバイクだった。



そうか…バイクなら、車より早く到着する。



私は納得し、頷いた。