寝返りを打つと、 壁に目がとまる。 このすぐ向こうに、清がいるのになぁ。 ふと思いついて、 壁をコンと、軽く叩いてみた。 と、 しばらくして、 コン、 と音がした。 うそ? 起きてる? それとも、 ただの偶然? もう一度、 今度は、2回、 慎重に叩いてみた。 コツン、コツン。 と、 同じように、 コツン、コツン。 私は、跳ねるように飛び起き、 部屋を抜け出した。