「よーっし着いたぞー。」
「うわぁすっげぇ田舎!」


トラックの運転席で耕平伯父さんと晃矢(コウヤ)が騒いでいるのがトラックの壁越しに聞こえた。

外では蝉の声がしてる。荷物のクッションに使う毛布に寝てたから寝汗がひどい。

車が止まってから二人が降りる音がして砂利道を歩く音が僕の右から左へ移って行き荷台に詰め込まれた家具の隙間から日光が射してくる。一緒に入ってきた風が汗を引かせる。

「泰斗(タイト)ー着いたぞーっ」


あー、うるさい。立ち上がってそこから見える僕とうり二つの顔立ちをした一応の兄に返す。

「聞こえてたよ。」
「あり?なんか不機嫌?寝起きだから?そうでもない?まぁなんでもいーけどさぁーいつも思うんだけど俺と同じ顔で暗い顔してんのやめろよなーテンション下がるー。ってあれ?むーしでーすかー?」



口の多い奴に構ってると疲れる。