お互い目を伏せたまま流れた、沈黙。 私は騒ぐ心臓を抑えながら、目線を上げて、トキを見た。 私の視線に気付いたトキも、真っ直ぐに見つめかえす。 とくとくとく。 さっきよりも優しい鼓動が、胸を叩く。 渇いた喉から、声を出して、伝えた。 「私も… トキのことが、好きだよ」 ――そして。 そのあと私に向けられたのは、やっぱりあの極上の笑みで。 私の心臓は再び暴れ出し、顔を真っ赤にさせられたのだった。