「ええっいやいや…!」 体を折り曲げて深々と頭を下げている清水さんを前に、私はわたわたと慌てて。 暫くして顔を上げた清水さんは、ぱっと身を翻して入り口へと走って行き、廊下に出る直前でこちらを振り返って、言った。 「あー!!すっきりした! でも絶対、超えてみせるからね!」 その表情は、無邪気な笑顔で。 私はぽかんと口を開けて ぱたぱたと遠ざかっていく清水さんの軽やかな足音を、ただただ呆然と突っ立って、聞いていることしかできなかった。