チャイムと共に授業が終わり、私はトイレに席を立った。 教室の隣にある二年生用の女子トイレは、未だ誰も居ないようで、私は一番奥の個室に入った。 かちゃりと鍵を閉める。 それと同時に、静かな女子トイレに、高く転がるような複数の女の子の声が入って来た。 特に気にも止めずにいたけれど、 「…伊上さんってさ」 その、聞き覚えのある声と、自分の名前が出たことに、動きを止めた。 この声は −…清水さん。