「……俺様は立葉名洋太! 人呼んでリッパー・ザ・ジャック! ジャック専門の犯罪者だ!」


そう叫ぶと、
ばっ、と関節技を無視して立ち上がる。



ソラが叫ぶ。


「しまった!無重力じゃないとキマらない技だった!」


どんな技だよ……。


「はははははっ! 三澤斗春! 次はバスジャック編で会おうな!」


リッパーは笑いながら、一気に客室を駆け抜ける。


いや、次はないし。

なんか規模小さくなってるし!


「待てっ!」


追いかける。
客室を抜け、貨物室へ。

しかし、すでに姿はなかった。


ハッチが空いているところを見ると、パラシュートか何かで逃げたようだった。


「……ハタ迷惑な奴だな」

「何、まんざらでもないな、って顔してるんですか」



飛行機は、何事もなかったかのように、悠々と空を飛んでいた。