あたしと親友の雅美は今日は朝から大忙し。
中央階段を駆け下りた。
あたしたちのブレザーの胸でお花が揺れる。
「まずは1組と2組ね!!」
「けいちゃんとゆっきーには絶対書いてもらわなきゃ!!」
中央階段を下りきって、2人揃って左に曲がる。
「うわっ!!」
あちゃー。
ここで邪魔者出現。
「おまえらどこ走ってんだあー!!」
数学科の幸田先生。
ちなみにあたしの1年の頃の担任。
一回お説教始まると長いんだもん。
「すみませーん!!」
あたしたちの足はさらに速く回る。
「卒業式ぐらい大人しくできんのか!!」
「卒業式だから、ですよー!!」
遠くなる幸田先生に言い訳しつつ、あたしたちは廊下を走る。