しかも“柴田さん”って言った?
あたしの名前言った?
たしかに言ったよね?
いま、たしかに“柴田さん”って…。
・・・・・・
やだ…
あたしの名前…覚えててくれたんだ。
どうしよう…嬉しい。
嬉しくて――…
「どっ…どうしたんですか!?」
あ…あれ?
なんか…
愛しい人の顔がぼやけるんですけど…
…って、もしかしてあたし泣いてるの!?
頬を伝う涙の感触に
慌ててアイメイクが崩れないように
指先でそっと拭う。
ひゃあ〜
「コ、コンタクトがずれちゃって…」
人差し指についた水滴を見て
とっさに言い訳する。
「な…んだ。びっくりした〜」
目の前の、まだうっすらぼやけた顔が
ほっとしたように笑う。
ああ…あたし。
この人の…
…蓮井サンの、
いろんなパターンの笑顔が
もっと見てみたいよ。
営業スマイルだけじゃなく…

![Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.807/img/book/genre1.png)