Drop Piece




酔っ払いがあのまま黙るはずもなく、撮影現場に着いてしまった。


「……んの、くそばばぁ…」

これからぶっ続けで16時間ぐらい撮影だから休んどこう、と思ったのに。



「白羽壱流さん、入りでーす!」

「……宜しくお願いします」


寝かせろ!!

所々から拍手が湧き立つが今、俺が欲しいのはベッド。

眉間の皺が消えることはない。


「白羽くん!あと30分くらいは始められないみたいだから休んでていいよ!」


その言葉を聞いて、俺は車に直行。
ドアを開けると……。


「なに、お前ら俺を寝かせたくねぇの?」


席を倒し、寝っ転がってる利央と琉飛。……と伸びてる晴翔。


「寝るのー?」

「時間まだあんだってさ。つか、そこ退け。寝てぇんだよ」


晴翔を脇にどかし、横になると、どんどん襲ってくる眠気の波に俺は簡単に飲み込まれた。





──……
─…

「よろしくおねがいしまーすっ」

無音の世界に響いてきた黄色い声。


……一発で起こされた。

車内には誰もいなく、晴翔もさすがに意識を取り戻したみたいだ。
ドアを開けると、肌をかすめる冷たい空気。


目が一気に覚め、あいつを確認した。


「………」


そのまま、見ていると気付いたのかあっちから俺の方へ近づいて来た。



「…おはよう」

「……はよ」


なぜか"高崎光"の眼に前までのような軽蔑の色はなかった。



「よろしくね?川嶋祐樹くん」

「……」

「美音、精一杯頑張るから白羽壱流も頑張ってよね!」

「…当然」


口角をあげると、"高崎光"は負けないよーっ!と言って走っていった。