「壱流、最高じゃん」
歌い終わり、利央とハイタッチした。
「余裕」
くすり、と笑いソファに沈み込んだ。
「さっきみたいな恍惚とした表情…。ああゆうのに皆やられるんだね」
「真面目な顔して何口走ってんだよ」
琉飛がまだ携帯を握ってることが妙に気になった。
「何!?壱流!お前、熱愛か!」
「質問が意味不明すぎんだよ」
ソファに座ってる俺たちの前に、クソババが仁王立ち。
……めんどくせぇな。
「いいか、よーく聞くんだぞ」
「んだよ」
「………何言うか忘れた。よし!次、晴翔はいれっ!」
まじこいつどうしてやろう…。
晴翔がレコーディングルームにギターを持って入るのを眺める。
「しゃちょー、俺ら大好きだからね」
「あんなのに好かれたって嬉しくねぇっつーの」
「社長、みかんくれるから好き」
はぁ、とため息をつきノリノリで晴翔をいじるクソババを見た。
レコーディングに直にクソババがくるのは俺らだけらしい。
他にもかなりいんのに、何で俺らだけとか思うけど。
クソババの音を見分ける力は本物だから認めてやる。
「あ、思い出した」
くるりと俺らを見てにやりと笑う。
「さっさと言えよ」
「一人の女をめぐって修羅場るなよ」
ぽかん、と口を開ける俺らに対し言ってやった、という得意顔のクソババ。
「……クソババ」
「なんかいったー?」
「別に、つか早く台本寄越せよ」
「………」
「黙んなよ」
ShiNeの憂欝の源はクソババだ。