たくさんの声援に包まれながらアンコールも二回分終えて、スタッフともハイタッチ。そろそろホテルに引き返そう、反省会でもするか、なんて頃。俺はそっとその場を抜け出し、衣装室に足を向けた。
「…なんで、んなとこいるんだよ」
たくさんの衣装が並べられてるハンガ―ラックの間にいた小さな背中を見つけた。
「いや、なんか、おつかれー!!って感じの雰囲気のとこいるの申し訳なくて」
眉を下げて、えへへと笑う光にため息一つ。
「…今日の成功は、お前がいなきゃ無理だった」
「!?」
「…なんだよ」
「壱流が素直に感謝するの信じられなくて…」
「殴るぞ」
ごめんって!!と騒ぐ光にもう一歩近づく。
「さっき菊に光が来た経緯とか聞いたけど、なんでニュース見ただけで分かったんだよ」
別にケガのこと口にしてねえし、顔にも出してないつもりだったのに、光がなぜ気づいたか不思議で仕方なかった。

