こんな舞台、初めてなくせに堂々と歌いやがるあいつに苦笑する。 「…ほんと、敵わねえな」 そろそろ薬が効いてきたのか、痛みが和らいできたのを確認し、ゆっくりと立ち上がる。 「壱流、何する気だよ!?」 駆け寄ってくる晴ににやりと笑みひとつ。 「いいとこばっか持ってきやがって、んなの許さねぇよ」 「…壱流」 琉がふわっと笑う。利央もくすりと悪戯に笑った。 「壱流らしーね、ほんと」 「当たり前だろ」 ステージで歌うあいつを見つめる。 お前ばっかは、ずりーだろ?